会社が公開しているメールアドレスを一覧にするときの集め方と、画像のファイル名や例示用ドメインなど会社のものではないアドレスの見分け方をまとめました。Excelでドメインを取り出す式、フリーメールの印の付け方、送る前のチェックリストも載せています。
企業のメールアドレスを一覧にすると、営業メールや案内の送り先がまとまります。ただ、ウェブサイトから集めたアドレスをそのまま並べても、全部が使えるわけではありません。画像のファイル名や、サイトに組み込まれた部品の作者のアドレスが、メールアドレスの形をして混ざってくるからです。
この記事では、次の4つを順に説明します。
- どこから、どんな列を持たせて集めるか
- 会社のものではないアドレスをどう見分けるか
- Excelで形式・ドメイン・重複をどう確かめるか
- 送る前に何を確かめるか
一覧の質は、送ったあとに出てきます。宛先のないアドレスに送ればエラーが返り、関係のない第三者に送れば迷惑をかけます。集める段階で外しておけば、その手間はかかりません。
一覧は、会社が自分で公開しているアドレスから作る
会社のメールアドレスが載っている場所は、だいたい決まっています。
- 会社サイトの「会社概要」「お問い合わせ」「アクセス」のページ
- 通販サイトの「特定商取引法に基づく表記」のページ
- 採用ページの応募先(営業の宛先には向きません)
- 業界団体や自治体が公開している会員名簿・事業者一覧
営業メールの宛先として集めるなら、会社が問い合わせ先として自分で載せているアドレスにします。特定電子メール法では、アドレスをインターネットで公表している会社には、同意がなくても広告メールを送れる例外があります。ただし、そばに「広告メールお断り」と書いてあれば例外になりません。条件の詳しい説明は「特定電子メール法の記事」にあります。
一覧には、アドレスのほかに次の列を持たせます。あとの確認がすべてこの列を使います。
| 列 | 入れるもの | 使いみち |
|---|---|---|
| 会社名 | 正式な名前 | 宛名、重複の確認 |
| サイトのURL | トップページのURL | アドレスのドメインと照らし合わせる |
| メールアドレス | 見つけたとおりに | 送信先 |
| 見つけたページ | アドレスが載っていたページのURL | 「お断り」の表示の確認、問い合わせへの説明 |
| 見つけた日 | 年月日 | 古さの目安 |
見つけたページと日付は、法律の義務ではありません。それでも、あとで「どこでアドレスを知ったのか」と聞かれたときに答えられます。
メールアドレスを載せている会社は5社に1社、ビジネスと飲食店では2.5倍の差
一覧を作る前に、狙う業種でどれくらいアドレスが見つかるかを知っておくと、件数の見積もりが外れにくくなります。リストハブに収録している企業・店舗のうち、47都道府県の住所がある約276万件(2026年9月30日集計)では、メールアドレスがあるのは19.6%でした。
| 業種 | メールアドレスがある割合 |
|---|---|
| 趣味 | 27.2% |
| 旅行・宿泊 | 26.0% |
| 教育・習い事 | 25.3% |
| ビジネス | 25.1% |
| 全体 | 19.6% |
| 美容・ファッション | 12.4% |
| グルメ・飲食店・レストラン | 9.9% |
| 病院・医院 | 9.9% |
ビジネス(士業、不動産、製造業、ソフトウェアなど)は25.1%、飲食店は9.9%で、約2.5倍の開きがあります。飲食店でアドレスを1,000件集めるには、1万件を超える店を調べる計算です。16業種すべての数字は「業種別に数えた記事」に、都道府県ごとの差は「都道府県別のメール公開率」にまとめています。
集めたアドレスに混ざる、会社のものではない文字列
サイトのソースからアドレスを自動で拾うと、「@」を含む文字列がすべて候補になります。その中には、会社の連絡先ではないものが入ってきます。リストハブで全件のドメインを数えたとき、目立ったのは次の3種類でした。
| 種類 | 例 | 見分け方 |
|---|---|---|
| 画像や部品のファイル名 | logo@2x.png、icon@3x.webp |
最後の「.」の後ろが png・jpg・webp・svg・css・js・pdf・html など |
| ウェブ部品の作者やエラー収集サービスのアドレス | sentry.io、wixpress.com、broofa.com のドメイン | 会社のサイトと関係のないドメインが、多くの会社に同じように出てくる |
| 例示用・ひな形のままのアドレス | example.com、test.co.jp、yourdomain.com | 説明用のドメインで、実際には届かない |
1つ目の @2x は、高解像度の画面向けの画像に付ける名前の決まりです。ファイル名に「@」が入るため、アドレスと見分けられずに拾われます。2つ目は、サイトに組み込んだプログラムの中に、作者や不具合の報告先のアドレスが書かれているものです。同じアドレスが、まったく別の会社のサイトから繰り返し出てきます。
ほかに、Instagram や Booking.com のようなサービス自体のドメインもありました。gmail.co.jp・gmai.com・yahoo.co.jo のような、打ち間違いと思われるドメインも混ざります。リストハブでは、これらを件数・CSV・画面から外しています。
使えるアドレスも、代表・個人名・フリーメールで扱いを分ける
会社のものだと分かったアドレスにも、種類があります。
| 種類 | 例 | 扱い |
|---|---|---|
| 代表アドレス | info@、contact@、sales@ | 営業の宛先の中心にする |
| 個人名のアドレス | yamada.taro@ のように名前が入ったもの | 個人情報として管理する。担当者の異動で届かなくなる |
| フリーメール | gmail.com、yahoo.co.jp など | 店主本人のことが多い。短い文面にする |
個人名のアドレスは、それだけで個人情報にあたります。このことは「特定電子メール法の記事」の個人情報保護法の節で触れています。また、担当者が異動や退職をすると、アドレスが残っていても読む人がいなくなります。
フリーメールは、会社のものではないと決めつけて外す必要はありません。リストハブのデータでは、メールアドレスのうちフリーメールは全体で12.5%でした。業種で見ると、美容・ファッションは29.7%、ビジネスは6.2%です。個人や少人数で営んでいる店では、フリーメールが正式な窓口になっています。ただ、サイトに載っていないフリーメールは出どころが分かりません。見つけたページの列で、そのアドレスが本当にその店のサイトに載っていたかを確かめます。
Excelで一覧を確かめる手順
CSVをExcelで開くときに文字化けしたり、先頭の0が消えたりする場合は、先に「CSVの文字化けの直し方」の手順で取り込みます。ここでは、A列が会社名、B列がサイトのURL、C列がメールアドレスで、2行目からデータが入っているとします。D列から右に確認用の列を足していきます。
手順1:アドレスの表記をそろえる(D列)
=LOWER(TRIM(ASC(C2)))
全角の文字を半角にし、前後の空白を消し、大文字を小文字にします。以降の式は、このD列を使います。
手順2:形式が正しいかを確かめる(E列)
=IFERROR(AND(LEN(D2)-LEN(SUBSTITUTE(D2,"@",""))=1,FIND("@",D2)>1,ISNUMBER(FIND(".",D2,FIND("@",D2)+2)),RIGHT(D2,1)<>".",ISERROR(FIND(" ",D2))),FALSE)
「@」が1つだけで先頭ではない、「@」の後ろに「.」がある、最後が「.」で終わっていない、途中に空白がない、の4点を見ます。FALSE の行は、打ち間違いか、2つのアドレスが1つのセルに入っています。
手順3:「@」の後ろのドメインを取り出す(F列)
=IFERROR(MID(D2,FIND("@",D2)+1,100),"")
手順4:画像などのファイル名に印を付ける(G列)
=SUMPRODUCT(COUNTIF(F2,{"*.png","*.jpg","*.jpeg","*.gif","*.webp","*.svg","*.css","*.js","*.pdf","*.php","*.html"}))>0
TRUE の行は、アドレスではなくファイル名です。
手順5:除外ドメインとフリーメールに印を付ける(H列・I列)
別のシートを2つ作ります。「除外」シートのA2から下に example.com、test.co.jp、sentry.io などを1行に1つずつ入れます。サブドメインまで外したいときは、*.sentry.io のように先頭に「*.」を付けて書きます。「フリー」シートには gmail.com、yahoo.co.jp、icloud.com など、自社で決めたフリーメールのドメインを入れます。
H2:=IF(F2="","",SUMPRODUCT(COUNTIF(F2,除外!$A$2:$A$100))>0)
I2:=IF(F2="","",COUNTIF(フリー!$A:$A,F2)>0)
H列の式は、F列のドメインを「除外」シートの1行ずつと比べます。シートの行が100を超えたら、範囲の数字を増やします。
手順6:サイトのドメインと同じかを確かめる(J列・K列)
J2:=IFERROR(SUBSTITUTE(MID(B2,FIND("//",B2)+2,FIND("/",B2&"/",FIND("//",B2)+2)-FIND("//",B2)-2),"www.",""),"")
K2:=IF(OR(F2="",J2=""),"",ISNUMBER(SEARCH(F2,J2)))
J列は、URLの「//」と次の「/」の間を取り出し、「www.」を消します。K列が TRUE なら、アドレスのドメインがサイトのドメインに含まれています。FALSE の行は、フリーメールか、別のドメインのアドレスです。外す前に、見つけたページを開いて確かめます。
手順7:重複と送らないリストを確かめる(L列・M列)
L2:=COUNTIF($D:$D,D2)
M2:=IF(COUNTIF(送らない!$A:$A,D2)>0,"送らない","")
L列が2以上の行は、同じアドレスが複数の行にあります。チェーン店の本部アドレスのように、別の店が同じアドレスを使っている場合もあります。消し方は「Excelで重複を消す方法」で説明しています。M列は、配信停止を申し出た相手のアドレスを「送らない」シートのA列にためておき、突き合わせる列です。
最後に、E列が FALSE、G列・H列が TRUE、M列が「送らない」の行をフィルターで絞り込み、別のシートに移します。消さずに移しておけば、判定を見直したいときに戻せます。
送る前のチェックリスト
一覧が整ったら、送る前に次の項目を確かめます。
- アドレスの形式が正しい(E列が TRUE)
- 画像のファイル名や除外ドメインが残っていない(G列・H列が FALSE)
- アドレスのドメインがサイトのドメインと違う行は、見つけたページで出どころを確かめた
- 同じアドレスへの送信が1回にまとまっている
- 見つけたページで、アドレスのそばに「広告メールお断り」などの表示がない
- 配信停止を申し出た相手が「送らない」シートに入っていて、M列で外れている
- 個人名のアドレスを、個人情報として扱う決まりが社内にある
- メールの署名に、送信者の名称・住所・問い合わせ先・受信拒否の連絡先が入っている
- 見つけた日が古い行は、送る前にサイトを開いてアドレスが変わっていないか確かめた
8番の署名の書き方は「営業メールの件名と本文の書き方」に例文があります。送ったあとに返ってきたエラーの記録のしかたは「営業リストの古さへの備え方」にまとめています。配信停止の申し出があったら、その日のうちに「送らない」シートに足します。新しくアドレスを足したときも、必ずこのシートと突き合わせてから送ります。
まとめ
企業のメールアドレス一覧は、次の順に作ると、送ってから困ることが減ります。
- 会社が問い合わせ先として公開しているアドレスを、見つけたページと日付と一緒に集める
- 画像のファイル名、部品の作者のアドレス、例示用ドメインを外す
- 代表・個人名・フリーメールを分け、個人名のアドレスは個人情報として扱う
- Excelで形式・ドメイン・重複・送らないリストを確かめる
- 送る前にチェックリストを上から確かめる
リストハブでは、47都道府県の企業・店舗のうちメールアドレスがある会社を、地域と業種で絞り込んで一覧にできます。画像のファイル名、部品の作者のアドレス、例示用のアドレスは、件数を数える段階で外してあります。全国のメールアドレスがある会社、東京都、大阪府のページで、業種ごとの件数を買う前に確かめられます。
集計の方法:メールアドレスがある会社とフリーメールの割合は、リストハブに収録している企業・店舗のうち、47都道府県の住所があるもの2,755,460件を、2026年9月30日に集計した値です。業種は、リストハブの業種分類(大分類)で分けています。メールアドレスは、画像のファイル名、ウェブ部品の作者のアドレス、例示用のアドレスなど、会社のものではないものを除いて数えています。この数字は、ウェブ上で公開されている情報をもとにしています。日本のすべての会社を調べたものではありません。
この記事は、営業リストの作成サービス「リストハブ」を運営するミルブレインズ合同会社の編集部が書いています。数字は、リストハブに収録している企業・店舗のデータを編集部が数えたものです。数え方と編集方針は「データの集め方・数え方と編集方針」にまとめています。誤りに気づいた方は、サポート窓口からお知らせください。