アタックリストは、連絡する相手を優先度の順に並べ、結果を書き込んでいく営業用の表です。営業リスト・顧客リストとの違い、入れる列、A・B・Cのランクの付け方、地域と業種から作る手順、作ったあとの更新と記録の仕方を具体例つきで説明します。
アタックリストは、営業で連絡する相手を「誰から順に」「どの手段で」連絡するかまで決め、連絡した結果を書き込んでいく表です。会社名と連絡先が並んでいるだけの表は、まだアタックリストとは呼べません。順番と記録の列があって、はじめて毎日の営業に使える形になります。
アタックリストを作らずに営業を始めると、手元のリストを上から順に連絡することになります。すると、取引できそうな会社とそうでない会社に同じ時間をかけてしまいます。誰がいつ連絡したかも残らないので、同じ会社に二人が電話する、断られた会社にまた連絡する、といったことが起きます。
この記事では、アタックリストと営業リスト・顧客リストの違い、入れる列、優先順位(ランク)の付け方、地域と業種から作る手順、作ったあとの更新の仕方を順に説明します。Excelやスプレッドシートがあれば、費用をかけずに作れる内容です。
アタックリストは、営業リストに「順番」と「記録」を足したもの
アタックリストという言葉に、決まった定義はありません。会社によって呼び方も中身も少しずつ違います。この記事では、次の3つを区別して使います。
| 名前 | 中身 | 主な使い道 |
|---|---|---|
| 営業リスト | まだ取引のない会社の名前と連絡先の一覧 | 営業する相手の候補を集める |
| アタックリスト | 営業リストから相手を選び、優先度・担当・連絡の結果を足したもの | 毎日の連絡の順番を決め、結果を残す |
| 顧客リスト | すでに取引のある会社の一覧と、取引の履歴 | 継続の連絡、追加の提案、請求 |
営業リストは「材料」で、アタックリストは材料から作る「作業表」です。営業リストに1万社が載っていても、今月連絡する相手が300社なら、アタックリストに入るのはその300社です。アタックリストから商談になり、取引が始まった会社は顧客リストへ移します。
営業リストそのものの作り方(必要な件数の逆算、項目の選び方、集め方)は「営業リストの作り方」にまとめています。この記事は、その次の段階を扱います。
入れる列は「会社の情報」「優先度」「記録」の3種類
アタックリストの列は、役割で3つに分けると迷いません。1社を1行にして、左から次の順に並べます。
| 種類 | 列の名前 | 入れる内容 |
|---|---|---|
| 会社の情報 | 会社名 | 正式な名前(店名と会社名が違うなら両方) |
| 会社の情報 | 住所(都道府県・市区町村は別の列) | 並べ替えと訪問の計画に使う |
| 会社の情報 | 業種 | 自社の分け方に合わせた業種名 |
| 会社の情報 | 電話番号・メールアドレス・フォームのURL | 使う手段の列だけでよい |
| 会社の情報 | 情報の出どころと取得日 | どこで、いつ集めた情報か |
| 優先度 | 点数・ランク | 次の節の決まりで付ける(A・B・C) |
| 優先度 | 担当 | 連絡する人の名前 |
| 優先度 | 手段 | 電話・フォーム・メール・郵送のどれで連絡するか |
| 記録 | 最終連絡日・結果 | 最後に連絡した日と、決めておいた区分 |
| 記録 | 次回の予定日 | 次に連絡する日。連絡しないなら「なし」 |
| 記録 | メモ | 担当者の名前、話した内容、指定された時間帯 |
列を増やしすぎると、入力が追いつかずに空欄だらけになります。最初は上の表の列だけで始め、使いながら足すほうが続きます。
「情報の出どころと取得日」は見落とされやすい列です。メールで営業するなら、そのアドレスを相手がどこで公表していたかが、送ってよいかどうかの判断に関わります。ルールは「特定電子メール法の記事」で説明しています。取得日があれば、古くなった情報を見つけるときの手がかりにもなります。
どの手段の列を使うかは、相手の会社にその連絡先があるかで決まります。リストハブに収録している企業・店舗のうち、47都道府県の住所がある2,755,460件(約276万件)を2026年9月30日に数えると、電話番号がある会社は94.7%、お問い合わせフォームがある会社は60.3%、メールアドレスがある会社は19.6%でした。メールだけで連絡する前提でアタックリストを作ると、候補の8割ほどが外れます。
優先順位はA・B・Cの3段階にし、点数の決まりを先に書いておく
ランクは、担当者の感覚で付けると人によってばらばらになります。点数の決まりを先に書き出し、全員が同じ決まりで付けるようにします。
決まりの例です。点数と区切りは説明のための仮の数字で、どの会社にも当てはまる値ではありません。
| 条件 | 点数(仮の数字) |
|---|---|
| 自社が取引の実績を持っている業種と同じ | 3点 |
| 過去に資料請求や問い合わせがあった | 3点 |
| 訪問できる地域(例:営業所から車で1時間以内)にある | 2点 |
| 連絡手段が2つ以上ある(電話とフォームなど) | 1点 |
| 前回の連絡で「時期が来たらまた」と言われた | 2点 |
合計点でランクを分けます。
- Aランク:6点以上の会社です。今週中に連絡します
- Bランク:3〜5点の会社です。Aを終えてから、今月中に連絡します
- Cランク:0〜2点の会社です。郵送やメールなど、手間の少ない手段でまとめて連絡します
点数を付ける条件は、手元のリストで判定できるものにします。「予算がありそう」のように、連絡してみないと分からない条件は入れません。業種・地域・連絡手段・過去のやり取りのように、表の列から読み取れる条件だけにすると、Excelの式で自動的に計算できます。
点数の決まりは、1〜2か月使ったら見直します。Aランクの会社から商談がほとんど出ていなければ、点数の重みが合っていません。後の節で書く記録の列があれば、ランクごとに何件連絡して何件が商談になったかを数えられます。
作る手順:地域と業種で絞り、1週間で連絡できる件数にする
ここでは、営業リストからアタックリストを作る流れを、地域と業種で絞る例で説明します。途中の件数は計算の流れを示すための仮の数字です。
- 地域を決める:訪問するなら、営業所から通える範囲に絞ります。電話やフォームだけなら広くてもかまいません。例として、ある1つの市にします
- 業種を決める:自社の実績がある業種から始めます。例として、飲食店にします
- 件数を確かめる:地域と業種で絞った結果が、仮に3,000件だったとします
- 連絡手段で減る件数を見込む:全業種の割合で電話番号がある会社は94.7%なので、3,000件なら約2,840件です。飲食店でメールアドレスがある会社は9.9%なので、メールで連絡できるのは約300件しかありません
- 重複をまとめる:同じ電話番号の行を1行にまとめます。リストハブのデータ全体では、電話番号で重複をまとめると行数が20.2%減りました。同じ割合なら、約2,840件は約2,270件になります
- 点数を付けてランクに分ける:前の節の決まりで点数を計算し、A・B・Cに分けます
- 1週間の件数に切り出す:仮に担当2人で週300件に連絡できるなら、Aランクの上から300件を今週のアタックリストにします
手順4の数字は、業種でかなり変わります。飲食店のメールは9.9%ですが、士業や製造業などを含む「ビジネス」の業種では25.1%でした。業種ごとの割合は「業種別に数えた記事」で一覧にしています。
手順5の重複は、チェーン店で多く出ます。店舗ごとの行に本部や予約センターの番号が入っているためです。まとめ方は「Excelで営業リストの重複を消す方法」、電話で使う前の整え方は「テレアポ用の営業リストの作り方」に書いています。
手順7で「今週の分」だけを切り出すのには理由があります。全件を一度に担当者へ渡すと、連絡しやすい会社から手を付け、Aランクの会社が後回しになりがちです。週ごとに区切れば、今週の300件が終わったかどうかで進み具合も分かります。
作ったあとは、結果を区分で記録し、毎週ランクを付け直す
アタックリストは、作った日から古くなっていきます。連絡の結果で相手の状況が変わり、閉店や移転で連絡先も変わるからです。使い続けるために、次の3つを決めておきます。
結果は自由に書かず、区分から選ぶ
「結果」の列を自由に書かせると、「不在」「留守」「担当いない」のように言葉がばらばらになり、あとで数えられません。区分を先に決め、Excelの「データの入力規則」で一覧から選ぶようにします。
| 区分 | 次の動き |
|---|---|
| つながらない | 曜日や時間帯を変えて、もう一度連絡する |
| 担当者不在 | 担当者がいる時間を聞き、次回の予定日に書く |
| 資料を送った | 1週間ほどあけて、届いたかを確かめる |
| 時期が来たらまた | 言われた時期を次回の予定日に書き、点数を足す |
| 商談の約束 | 日時を書き、顧客リストへ移す準備をする |
| 連絡先が使えない | 閉店や移転を確かめ、連絡しない行にする |
| 今後の連絡は不要 | 「連絡しないリスト」に移す |
結果の区分が「連絡先が使えない」の行は、すぐに消さずに、相手のサイトや地図で今も営業しているかを確かめます。リストの情報が古くなる理由と確かめ方は「営業リストが古くなる理由と見直しの目安」で説明しています。
毎週1回、ランクと次回の予定日を見直す
週の終わりに、その週の結果を見てランクを付け直します。「時期が来たらまた」と言われた会社は点数を足し、言われた時期に合わせて次回の予定日を入れます。何度連絡してもつながらない会社は、手段を変えるか、Cランクに下げます。
次の週のアタックリストは、「次回の予定日が来週に入っている会社」と「まだ連絡していないAランクの会社」を合わせて作ります。予定日の列で並べ替えれば、Excelでもすぐに取り出せます。
断られた相手は、別のシートで全員が共有する
「今後の連絡は不要」と言われた会社は、アタックリストから外し、別のシートにまとめます。担当者ごとに持たず、チームで1つにします。新しく営業リストを買い足したときも、アタックリストを作る前にこのシートと電話番号や会社名で突き合わせ、当たった行を外します。メールでは、受信を拒否した相手に送り続けることが法律で禁じられています。電話でも、断られた会社に繰り返し連絡すれば自社の評判を落とします。
無料で作るか、営業リストを買って作るか
アタックリストの表そのものは、ExcelやGoogleスプレッドシートで無料で作れます。この記事の列と区分をそのまま見出し行にすれば、今日から使えます。
費用がかかるのは、材料になる営業リストのほうです。自分で集めるなら、検索エンジンや業界団体の名簿、地図サイトから1社ずつ書き写します。お金はかかりませんが、件数が増えるほど時間がかかります。自社で10社ほど書き写して時間を測り、必要な件数ぶんに掛け算してから、買う場合の費用と比べると判断しやすくなります。
リストハブでは、地域と業種を選ぶと、該当する会社の件数と一覧を無料で見られます。電話番号・フォーム・メールアドレスがある会社の件数もその場で分かるので、上の手順3と4の数字を買う前に確かめられます。必要な分だけをCSVで購入でき、トップページから地域と業種を選べます。東京都や大阪府の一覧、メールアドレスがある会社やフォームがある会社の一覧からも探せます。
まとめ:まず点数の決まりと結果の区分を書き出す
アタックリストを作るとき、最初にやることは2つです。ランクを付ける点数の決まりを書き出すことと、結果の区分を決めることです。この2つが決まれば、残りの列は営業リストから写すだけで済みます。
連絡の手段ごとの進め方は、フォームなら「フォーム営業のやり方」、メールなら「営業メールの書き方」、電話なら「テレアポ用の営業リストの作り方」にまとめています。アタックリストのどの手段の列から使うかに合わせて読んでください。
集計の方法:リストハブに収録している企業・店舗を、2026年9月30日に集計しました。
- 電話番号・フォーム・メールアドレスがある割合:47都道府県の住所がある2,755,460件のうち、各項目が空でない件数の割合です。会社のものではないメールアドレスは除いて数えています
- 業種別のメールの割合(飲食店9.9%、ビジネス25.1%):「業種別に数えた記事」の表の値です
- 電話番号の重複:9桁以上の電話番号がある2,603,871行を番号ごとにまとめると、2,078,117行になりました(20.2%減)
- ランクの点数と区切り、3,000件・週300件などの件数の例:説明のための仮の数字で、調査の結果ではありません。重複後の約2,270件は、全体と同じ割合で減ると仮定した計算です
この記事は、営業リストの作成サービス「リストハブ」を運営するミルブレインズ合同会社の編集部が書いています。数字は、リストハブに収録している企業・店舗のデータを編集部が数えたものです。数え方と編集方針は「データの集め方・数え方と編集方針」にまとめています。誤りに気づいた方は、サポート窓口からお知らせください。