営業リストは、作った日から少しずつ古くなります。閉店・移転・電話番号の変更・サイトの作り替え・担当者の異動で何が起きるか、買うときや作るときに確かめること、不通・宛先不明・バウンスを記録して次に使う前に外す運用と、見直す頻度の決め方を説明します。
営業リストは、作った日がいちばん正確で、そこから少しずつずれていきます。店は閉まり、会社は移転し、ウェブサイトは作り替えられます。同じリストを半年後にもう一度使うと、前回はつながった番号が「現在使われておりません」になっていることがあります。
この記事では、まずリストが古くなる理由と、古いリストを使うと何が起きるかを整理します。そのうえで、買うときや作るときに確かめることと、使いながら直していく運用のしかたを説明します。
先に結論を書くと、リストを古くしない方法はありません。できるのは、古くなった行に早く気づいて、次に使う前に外すことです。そのための記録の列を最初から用意しておくと、手間はあまり増えません。
リストが古くなる5つの理由
リストの情報がずれていく理由は、大きく5つあります。
| 起きること | ずれる項目 |
|---|---|
| 閉店・廃業 | 行ごと使えなくなる |
| 移転 | 住所(電話番号も変わることがある) |
| 電話番号の変更 | 電話番号・FAX番号 |
| サイトの作り替え・移転 | フォームのURL、メールアドレス |
| 担当者の異動・退職 | 担当者名、個人あてのメールアドレス |
移転すると、電話番号も一緒に変わることがあります。総務省の電話番号に関するQ&Aによると、固定電話の市内局番は、その地域にある電話会社の営業所の交換機を表しています。そのため、引っ越し先によっては番号が変わると説明されています。同じ市内の移転でも、番号が変わらないとは言い切れません。
番号は、移転しなくても変わることがあります。同じQ&Aには、電話の需要が増えた地域で市内局番の桁を増やした例も載っています。大阪の06地域では、1999年1月1日に市内局番が4桁になりました。
サイトの作り替えは、見落としやすい理由です。会社がサイトを作り直すと、お問い合わせフォームのページの場所が変わることがあります。リストに残っている古いURLを開くと、ページが見つからないか、トップページに飛ばされます。サイトの住所(ドメイン)ごと変えた会社では、メールアドレスも変わります。
古いリストを使うと起きること
古い行が混ざったリストを使うと、営業の手段ごとに次のことが起きます。
- 電話:「この番号は現在使われていません」という案内が流れる。番号がほかの人に使われるようになっていれば、別の相手につながる
- 郵送DM:宛先不明で差出人に戻ってくる
- メール:宛先のアドレスがなく、配信できなかったという通知(バウンス)が返ってくる
- フォーム:ページが開けないか、送信しても別の窓口に届く
困るのは、無駄になった時間や郵送料だけではありません。電話が別の相手につながれば、関係のない人の手を止めてしまいます。担当者が異動したあとの個人あてのメールは、届いたとしても読む人がいません。
郵送DMは、移転した会社が転居届を出していると古い住所あてでもしばらく届くため、戻ってこないことが住所の正しさの証明になりません(詳しくは「郵送DMの宛名リストの作り方」)。
買うとき・作るときに確かめること
リストを買うときは、いつ集めた情報なのかを確かめます。見るのは次の3点です。
- 集めた時期:リスト全体でいつ時点の情報か。行ごとに収集日や更新日が入っているか
- どこから集めたか:会社のサイト、地図サイト、業界の名簿など、情報の出どころ
- 閉店した店の扱い:閉店と分かった行を外しているか
販売元に聞いても答えが得られない場合は、買う前にサンプルやプレビューを見て、何件かを自分で確かめます。会社名で検索して、サイトが今もあるか、住所と電話番号が合っているかを見るだけでも、古さの見当が付きます。リストハブの見積り画面では、購入前に中身をプレビューで確かめられます。
自分でリストを作るときは、1行ごとに「集めた日」の列を入れておきます。あとで、どの行が古いかを日付で並べ替えられるようにするためです。複数の出どころから集めるなら、「どこから集めたか」の列も入れておきます。
ウェブサイトのURLは、古さを確かめる手がかりになります。リストハブのデータでは、47都道府県の住所がある2,755,460件のうち、91.9%にウェブサイトのURLが入っていました。サイトを開けば、「閉店のお知らせ」や「移転しました」の告知が出ていることがあります。電話をかける前にURLを開いて確かめるだけで、空振りの一部は防げます。
使いながら直す:不通・宛先不明・バウンスの記録列
リストを新しく保ついちばん確実な方法は、使うたびに結果を記録し、次に使う前に外すことです。リストの右側に、手段ごとの記録の列を足しておきます。
| 列の名前 | 入れる内容 | 次に使う前の扱い |
|---|---|---|
| 電話の結果 | つながった/不通/別の相手につながった | 不通と別の相手は電話で使わない |
| DMの戻り | 戻った日と理由 | 「あて所に尋ねあたりません」は郵送で使わない |
| メールのバウンス | 返ってきた日と種類 | アドレスがないという通知はメールで使わない |
| フォームの状態 | 開けた/開けない/別の窓口だった | 開けない行はURLを確かめ直す |
| 確かめた日 | 最後に確かめた日付 | 古い順に確かめ直す |
戻ってきたDMには理由が書かれていて、移転や閉店のしるしになるものと、宛名の書き方や不在が原因のものがあるので、理由ごとに分けて記録します(理由の一覧は「郵送DMの宛名リストの作り方」)。
メールのバウンスも、通知の中身を見て分けます。アドレスがないことを示す通知は、次からそのアドレスに送りません。相手の受信箱がいっぱいといった一時的な理由の通知なら、時間をおいて送り直す余地があります。何回で外すかは、自社で決めておきます。
記録した行は、消さずに印を付けて残します。消してしまうと、同じ会社を含むリストを新しく買ったとき、古い情報のまま戻ってきます。「電話不可」「郵送不可」のように手段ごとの印にしておけば、電話はつながらなくても郵送は届く会社を捨てずに済みます。
不通になった会社が本当に閉店したのかは、印を付けたあとで確かめます。
- 会社名で検索し、サイトや地図サイトに閉店・移転の告知がないかを見る
- 移転していれば、新しい住所と電話番号を入れ、「確かめた日」を更新する
- 閉店していれば、全部の手段に「使わない」の印を付ける
- どちらか分からなければ、印はそのままにして、次の見直しで確かめる
見直す頻度は、自社の記録から決める
どれくらいの頻度でリストを見直せばよいかについて、決まった数字はありません。業種や地域によって店の入れ替わり方が違い、同じ業種でも時期によって変わるからです。この記事でも、「何か月ごと」という目安は書きません。
その代わりに、自社の記録から決める方法を勧めます。リストを使うたびに、次の割合を計算して残しておきます。
不通の割合 = 不通だった件数 ÷ かけた件数 戻りの割合 = 戻ってきたDMの数 ÷ 送った数 バウンスの割合 = アドレスがないという通知の数 ÷ 送ったメールの数
仮の数字で見てみます。あるリストで、最初に使ったときは500件かけて不通が10件(2%)だったとします。4か月後に同じリストの別の500件にかけたら、不通が30件(6%)でした。この場合、このリストは4か月で古さが目に見えるほど進んだと判断できます。次は4か月より前に見直す、と決める材料になります。上の件数は計算のための仮の値で、調査の結果ではありません。
割合は、同じリストの中でも地域や業種で分けて計算すると、どこから古くなっているかが分かります。たとえば、ある業種だけ不通の割合が高いなら、その業種の行から先に確かめ直します。
古さは防げないが、記録すれば気づける
リストは、使わずに置いておくだけでも古くなります。閉店、移転、番号の変更、サイトの作り替え、担当者の異動は、どれも止められません。変えられるのは、気づくまでの早さです。そのために続けることは3つあります。「集めた日」の列を持つこと、電話の不通やDMの戻り、メールのバウンスを手段ごとに記録すること、印を付けた行を次に使う前に外すことです。これを続けていれば、同じ行で二度空振りすることはなくなります。
メールを送るときの法律のルールは「特定電子メール法の記事」で、リストの作り方全体は「営業リストの作り方」で説明しています。リストハブのCSVは UTF-8(BOM付き)なので、地域と業種を選ぶ画面から作ったリストを Excel でそのまま開き、右側に記録の列を足して使えます。
数字の出どころ:リストハブに収録している企業・店舗を、2026年9月30日に集計しました。
- ウェブサイトのURLがある割合:47都道府県の住所がある2,755,460件のうち、ウェブサイトのURLが空でない件数の割合です
- 不通の割合の計算例:説明のための仮の数字で、調査の結果ではありません
確かめた資料(2026年9月30日に確認)
- 電話番号に関するQ&A(総務省):引っ越しで番号が変わる理由(Q9)、市内局番の変更の例(Q12)
- 送った郵便物が自分のところへ戻ってきてしまいました(日本郵便):主な返還理由
- 転居・転送サービス(日本郵便):届け出の日から1年間の転送
この記事は、営業リストの作成サービス「リストハブ」を運営するミルブレインズ合同会社の編集部が書いています。数字は、リストハブに収録している企業・店舗のデータを編集部が数えたものです。数え方と編集方針は「データの集め方・数え方と編集方針」にまとめています。誤りに気づいた方は、運営会社のページからお知らせください。