郵送DMの宛名リストは、住所を都道府県・市区町村・番地・建物名の列に分けておくと、宛名の印刷も重複の確認も楽になります。御中と様の使い分け、郵便番号の確かめ方、同じビルの別会社を消さない重複の見方、送る量の決め方、宛先不明で戻ったDMの記録のしかたを説明します。
郵送のDM(ダイレクトメール)は、メールアドレスもお問い合わせフォームも出していない会社に届けられる手段です。その代わり、1通ごとに印刷代と郵送料がかかり、宛名の誤りはそのまま「届かない」「失礼な宛名で届く」につながります。
この記事では、DMの宛名リストを作るときの手順を説明します。住所を列に分ける理由と分け方、宛名の書き方、郵便番号、同じ住所の重複の見方、送る量の決め方、戻ってきたDMの記録のしかたの順です。
メールアドレスやフォームを出している会社の割合は、業種によって大きく違います(「業種別に数えた記事」)。どちらも少ない業種に案内を届けるなら、郵送は今も候補に入ります。
住所は4つの列に分けておく
宛名リストの住所は、1つの列にまとめず、次の4つの列に分けておくと扱いやすくなります。
| 列 | 例 |
|---|---|
| 都道府県 | 北海道 |
| 市区町村 | 札幌市中央区 |
| 町名・番地 | 北一条西2丁目1-1 |
| 建物名・階・部屋番号 | 〇〇ビル5階 |
分けておく理由は3つあります。
- 宛名の印刷で改行できる:Wordの差し込み印刷で宛名ラベルや封筒に印刷するとき、建物名を2行目に回せます。1つの列のままだと、長い住所が途中で切れたり、はみ出したりします
- 地域で絞れる:「今月は札幌市中央区だけ」「来月は隣の区」のように、市区町村の列で並べ替えて、送る範囲を分けられます
- 重複を見つけやすい:番地の表記をそろえる作業が、町名・番地の列だけで済みます(後の節で説明します)
買ったリストの住所が1つの列に入っている場合は、自分で分けます。都道府県は、先頭の3文字か4文字です。4文字なのは神奈川県・和歌山県・鹿児島県の3つだけなので、Excelなら次の式で取り出せます。
=IF(MID(A2,4,1)="県",LEFT(A2,4),LEFT(A2,3))
市区町村は、「郡」が付く町村や、政令指定都市の「区」があるため、式だけできれいに分けるのは難しくなります。件数が多いなら、郵便番号から市区町村を引く方法のほうが確実です。
宛名は「御中」と「様」を使い分ける
宛名の敬称は、一般的なビジネスマナーでは次のように使い分けます。細かな書き方はマナーの本によって違いもあるので、社内で決めた形に合わせてください。
| 宛先 | 書き方の例 |
|---|---|
| 会社あて | 株式会社〇〇 御中 |
| 部署あて | 株式会社〇〇 営業部 御中 |
| 担当者が分かる | 株式会社〇〇 営業部 山田太郎 様 |
| 役職と名前が分かる | 株式会社〇〇 代表取締役 山田太郎 様 |
「御中」は会社や部署などの組織に、「様」は人に付けます。担当者の名前まで書くなら「様」だけにし、「株式会社〇〇 御中 山田太郎 様」のように両方を付けることはしません。役職は名前の前に置き、「山田太郎 社長 様」のように敬称を重ねない書き方が一般的です。
リストの列は、「会社名」「部署名」「役職」「氏名」を別々に持っておくと、差し込み印刷で敬称を切り替えられます。氏名の列が空なら「御中」、入っていれば「様」、という式を1列足しておけば、1通ずつ直す必要がありません。
=IF(D2="",A2&" 御中",A2&" "&C2&" "&D2&" 様")
氏名が分かっている会社は多くありません。リストハブのデータでは、47都道府県の住所がある2,755,460件のうち、代表者名が入っているのは13.7%でした。9割近くは「御中」で送ることになると見ておきます。代表者名が入っている会社に「代表取締役 〇〇 様」で送るかどうかは、DMの内容で決めます。社長に判断してもらう商材なら代表者あて、現場の担当者に読んでほしいなら部署あてのほうが合います。
会社名の表記にも気をつけます。「(株)」と略さず「株式会社」と書く、前株か後株かを取り違えない、の2点は、リストの会社名をそのまま使えば防げます。手で打ち直すときに崩れやすいところです。
郵便番号は7桁そろっているかを確かめる
郵便番号は、3桁と4桁の合わせて7桁です。宛名リストでは、次の点を確かめます。
- 空欄になっていないか
- 7桁そろっているか(ハイフンを除いて数える)
- 先頭の0が消えていないか
北海道の 0600001 のように0から始まる郵便番号は、CSVをダブルクリックで開くと先頭の0が消えるので、取り込み方を「CSVをExcelで開くと文字化けするときの直し方」の手順に変えてください。
郵便番号が空欄の行や、住所と合っていない行は、日本郵便の「郵便番号検索」で住所から調べられます。件数が多い場合は、日本郵便が公開している郵便番号のデータをダウンロードして、住所と突き合わせる方法もあります。ビルや会社によっては、その事業所だけの個別の郵便番号が付いていて、日本郵便がその一覧も公開しています。
同じ住所が並んでいても、重複とは限らない
DMの宛名リストで重複を探すとき、住所だけで判断すると、消してはいけない行まで消してしまいます。
同じビルには、いくつもの会社が入っています。住所が「〇〇ビル5階」まで同じでも、会社名が違えば別の宛先です。重複と見るのは、次の2つがそろったときです。
- 住所(表記をそろえたもの)が同じ
- 会社名(表記をそろえたもの)が同じ
住所の表記をそろえるときは、次の違いを直します。
| よくある違い | そろえ方の例 |
|---|---|
| 全角と半角の数字 | 半角にそろえる |
| 「2丁目1番1号」と「2-1-1」 | どちらかに決める |
| ハイフンの種類(-、‐、ー) | 半角の「-」にそろえる |
| 建物名の有無 | 照合用の列では建物名を外して比べる |
反対に、住所が違っても同じ会社のことがあります。本社と支店、チェーンの各店舗です。1社に1通でよいなら本社だけを残し、店ごとに届けたいなら全部残します。どちらにするかは、送る前にDMの目的で決めておきます。
リストハブで購入するなら、見積り画面で「同一店舗」を選ぶと、同じ店が重なった行をまとめてから買えます。電話番号・メールアドレス・フォームURL・FAX番号が同じ行をまとめる選び方もあります。30万件を超える条件では、この機能は使えません。
送る量は、送ったあとの動きから決める
何通送るかは、予算だけでなく、送ったあとに自社で何ができるかから決めます。DMを読んだ相手から問い合わせが来る、こちらから電話でフォローする、のどちらでも、受け止める人手が必要だからです。
仮の数字で計算してみます。
1通あたりの費用(印刷と郵送料):仮に150円 今月の予算:仮に15万円 15万円 ÷ 150円 = 1,000通
一方で、DMのあとに電話でフォローする場合です。
1日にフォローの電話をかけられる件数:仮に40件 フォローにあてる日数:仮に10営業日 40件 × 10日 = 400件
この場合、予算の上では1,000通送れても、フォローできるのは400件です。残りの600通は、届いたあと何もしないまま時間がたちます。一度に1,000通送るより、400通ずつ地域を分けて送るほうが、手が回ります。上の金額と件数はすべて計算のための仮の値です。郵送料は郵便の種類や重さで変わるので、実際の料金は日本郵便の料金表で確かめてください。
初めてDMを送るなら、最初は少ない数で試し、問い合わせの数と、戻ってきたDMの数を記録します。その数字を見てから、次に送る量を決めます。
戻ってきたDMを記録して、リストから外す
DMの封筒やはがきには、差出人の住所と会社名を必ず書きます。配達できなかった郵便物は差出人に戻されるので、戻ってきた分から、リストの古い住所を見つけられます。
日本郵便の案内では、戻ってくるときの主な理由は次の3つです。理由は郵便物に書かれて戻ってきます。
| 戻ってきた理由 | 意味 | リストでの扱い |
|---|---|---|
| あて所に尋ねあたりません | その住所に受取人がいない | 移転か閉店を疑い、サイトや電話で確かめる |
| あて名不完全で配達できません | 宛先の書き方が足りない | 番地や建物名の抜けを直す |
| 保管期間経過のため返還 | 不在で預かったが受け取られなかった | 住所の誤りとは限らない |
リストには、次の列を足して記録します。
- 発送日
- 戻った日
- 戻った理由(上の3つから選ぶ)
- 確かめた結果(移転先が分かった、閉店していた、など)
「あて所に尋ねあたりません」で戻ってきた行は、行ごと消すより、「郵送不可」の印を付けて残しておきます。行を消すと、あとで同じ会社を含むリストを買い足したときに、また同じ住所へ送ってしまうからです。印の付いた行は、次に送る前に外します。
もう1つ覚えておきたいのは、戻ってこないことが「今もそこにある」証明にはならない点です。日本郵便には、転居届を出すと、届け出の日から1年間、旧住所あての郵便物を新しい住所へ転送するサービスがあります。移転した会社がこの届けを出していれば、古い住所に送ったDMも1年間は届き、戻ってきません。
まとめ
郵送DMの宛名リストは、次の順に整えると、宛名の誤りと無駄な発送が減ります。
- 住所を都道府県・市区町村・町名番地・建物名の4つの列に分ける
- 会社名・部署名・役職・氏名を別の列にし、「御中」と「様」を式で切り替える
- 郵便番号が7桁そろっているか、先頭の0が消えていないかを確かめる
- 重複は「住所と会社名の両方が同じ」で判断し、同じビルの別会社は残す
- 送る量は、予算とフォローできる件数の小さいほうに合わせる
- 戻ってきたDMは理由ごとに記録し、「郵送不可」の印を付けて次から外す
リストの作り方全体は「営業リストの作り方」にまとめています。DMの宛名に使うなら、リストハブの見積り画面のプレビューで、住所が番地や建物名まで入っているか、代表者名の列があるかを先に見ておくと、「御中」と「様」のどちらで刷るかも決められます。
数字の出どころ:リストハブに収録している企業・店舗を、2026年9月30日に集計しました。
- 代表者名の割合:47都道府県の住所がある2,755,460件のうち、代表者名が空でない件数の割合です
- 送る量の計算例:1通あたりの費用、予算、フォローの件数はすべて説明のための仮の数字で、調査の結果ではありません
確かめた資料(2026年9月30日に確認)
- 送った郵便物が自分のところへ戻ってきてしまいました(日本郵便):主な返還理由
- 転居・転送サービス(日本郵便):届け出の日から1年間の転送
- 郵便番号検索(日本郵便)
- 事業所の個別郵便番号のダウンロード(日本郵便)
「御中」「様」の使い分けは、一般的なビジネスマナーとして書いています。
この記事は、営業リストの作成サービス「リストハブ」を運営するミルブレインズ合同会社の編集部が書いています。数字は、リストハブに収録している企業・店舗のデータを編集部が数えたものです。数え方と編集方針は「データの集め方・数え方と編集方針」にまとめています。誤りに気づいた方は、運営会社のページからお知らせください。