フォーム営業とは、会社のサイトにある問い合わせフォームから営業文を送る方法です。メール営業・テレアポとの違い、向く業種と向かない場面、送り先リストから返信管理までの手順、手作業・自動化ツール・代行の比べ方、共有フォームや営業お断りの注意点をまとめました。
フォーム営業とは、相手の会社のサイトにある「お問い合わせフォーム」に、自社の商品やサービスの案内を書いて送る営業の方法です。電話をかけたり、メールアドレスを探して送ったりする代わりに、会社が用意している窓口をそのまま使います。
この記事では、フォーム営業の基本、向く業種と向かない場面、やり方の手順、手作業・自動化ツール・代行の比べ方、送る前に気をつけることを順に説明します。文面の書き方と例文は「問い合わせフォームの営業文面と例文」にまとめているので、ここでは触れません。
フォーム営業とは:メール営業・テレアポとの違い
営業の案内を届ける方法は、大きく電話・メール・フォームの3つに分かれます。
| テレアポ | メール営業 | フォーム営業 | |
|---|---|---|---|
| 送り先 | 電話番号 | メールアドレス | 問い合わせフォームのURL |
| 相手の手を止めるか | 止める(その場で出る) | 止めない(あとで読める) | 止めない(あとで読める) |
| 送り先が見つかる割合 | 高い | 低い | 中くらい |
| 向いている使い方 | 話して反応を見たい | アドレスを公開している会社へ | アドレスを載せていない会社へ |
送り先が見つかる割合は、リストハブに収録している企業・店舗のデータで数えると差がはっきり出ます。電話番号がある会社は9割強、お問い合わせフォームがある会社は約6割、メールアドレスがある会社は約2割でした(業種別の数字は「メールを載せている会社は2割、フォームは6割」にあります)。
メールアドレスを載せていない会社が多いので、メールだけで営業すると、送れる相手が少なくなります。フォームなら、その約3倍の会社に案内を届けられます。電話と違って相手の時間を奪わないため、忙しい会社でも読んでもらえる余地があります。
反対に、フォームは相手の会社がお客さんからの問い合わせを受けるために置いている窓口です。営業文を送ると、その窓口を使わせてもらうことになります。短く、相手の仕事に関係のある内容にするのが基本です。
向く業種と向かない場面
フォームがあるかどうかは、業種で大きく違います。フォームがある会社の割合は、次のとおりです(リストハブのデータ、2026年10月集計)。
| 業種 | フォームがある割合 |
|---|---|
| 人材・ビジネスサービス | 78.6% |
| 建設・工事・リフォーム | 72.0% |
| 病院・クリニック | 42.2% |
| 美容・理容・エステ | 43.3% |
| 飲食店 | 39.6% |
会社を相手に仕事をしている業種は、取引先からの問い合わせをウェブで受けることが多く、フォームが7割前後あります。フォーム営業が向くのは、こうした業種です。
飲食店・病院・美容室は、フォームのある割合が4割前後にとどまります。フォームだけで狙うと、送れる相手が半分に届きません。この業種を相手にするなら、電話や郵送のDMと組み合わせる前提で考えます。
もう1つ、向かない場面があります。いまの状況を一度の連絡で説明しきれない商材です。フォームの本文には文字数の上限があることが多く、複雑な内容は伝えきれません。その場合は、フォームでは「資料を見てもらうきっかけ」だけを作り、詳しい話は返信のあとにします。
フォーム営業のやり方:4つの手順
1. 送り先リストを作る
最初に、どの会社に送るかを決めます。「札幌市内で、社員が数人の設計事務所」のように、地域と業種を絞って1行で書き出しておくと、リストの条件が決まります。
リストには、会社名とお問い合わせフォームのURLが必要です。サイトを1社ずつ開いてフォームを探すと、1社に数分かかります。条件に合う会社を数百社集めるだけで、何日もかかります。
リストハブでは、地域と業種を選ぶと、会社名・住所・電話番号などに加えて、お問い合わせフォームのURLを付けたCSVを作れます。フォームのURLの追加は、フォームがある行だけ1件あたり+10円(1万件を超えた分は+5円、5万件を超えた分は+3円)です(税別。基本情報は1件5円から、最低ご注文金額は500円)。お問い合わせフォームがある会社の一覧で、地域と業種ごとの件数を無料で確かめられます。購入前に、伏字なしのサンプルを10件お試しいただけます(無料で試す)。ご注文はこちらです。
2. 文面を作る
文面は、1通を作り込むより、業種ごとに数パターン用意するほうが続きます。書き方と業種別の例文は「問い合わせフォームの営業文面と例文」を見てください。
3. 送信する
フォームを開いて、お問い合わせの種類を選び、本文を貼り付けて送ります。フォームごとに欄の並びや必須項目が違うので、1社ずつ確かめながら進めます。送る量とペースは、返信に対応できる数から逆算して決めます。
4. 返信を管理する
送った会社、送った日、返信の有無を、1社1行で記録します。断られた会社や「営業お断り」の表示があった会社には、印を付けて二度と送りません。行を消すと、次にリストを買い足したときに、同じ会社へ送ってしまうことがあります。
手作業・自動化ツール・代行の比べ方
フォーム営業は、誰が送信するかで、手作業・自動化ツール・代行の3つに分けられます。
| 手作業 | 自動化ツール | 代行 | |
|---|---|---|---|
| 送る人 | 自社の担当者 | ツールが自動で | 代行会社の担当者 |
| 手間 | 1社ずつ入力するため大きい | 文面と送り先を用意すれば小さい | 依頼と確認だけ |
| 費用の考え方 | 担当者の時間 | 1通あたりの送信単価 | 送信単価に作業費が加わることが多い |
| 向いている量 | 数十社まで | 数百社〜数千社以上 | 自社に手が足りないとき |
選ぶときは、次の3つを見ます。
- 送る量:1か月に何社へ送るか。数十社なら手作業で足ります。数百社を超えると、入力の時間が負担になります
- 自分で動かせる時間:返信への対応は、どの方法でも自社で行います。送信に使える時間があるかどうかで決めます
- 1通あたりの費用:手作業は費用がかからないように見えますが、担当者の時間がかかっています。1社あたり数分かかるなら、時給から1通の費用を計算して、ツールの送信単価と比べます
どの方法でも、送り先のリストの質で結果が変わります。フォームのURLが古かったり、店に届かない共有フォームだったりすれば、送った分が無駄になります。
IZANAGIで自動化する場合
リストハブと同じ会社(ミルブレインズ合同会社)が運営するIZANAGIは、お問い合わせフォームから営業文を自動で送るサービスです。公式サイトでは、次のように説明されています(2026年10月16日に確認)。
- フォームの項目名が違っても自動で入力して送信する
- 送信に失敗したフォームには、メールで送る
- DM本文に入れたURLのクリックを計測して、反響を通知する。ABテストもできる
- 受け取った会社が1クリックで登録できる拒否リストがあり、登録した会社は以後の送信対象から外れる
- 配信するエリアや送信する時間を指定できる
- 送信単価は1.25円から。事業規模に応じて送信数と料金を決める
- 法人(BtoB)向けの商材が対象で、個人向けの商材は対象外
手作業で数十社に送って手ごたえを確かめてから、数が増えたら自動化するという進め方もできます。
フォーム営業で気をつけること
本部や予約サイトに届くフォームを外す
リストにフォームのURLが入っていても、店のフォームとは限りません。チェーン店の本部のお問い合わせページや、予約サイトの共通の窓口だと、送った内容は店には届かず、本部やサイトの運営会社が受け取ります。リストハブのデータでは、フォームのURLのうち16.9%がこうした共有フォームでした。URLのドメインを見て外す方法は「本部・予約サイトのフォームの見分け方」で説明しています。
「営業お断り」の表示がある会社には送らない
フォームのページに、「営業・勧誘のご連絡はご遠慮ください」といった表示が出ていることがあります。表示がある会社には送りません。見つけた会社は、リストから消さずに印を付けておきます。
法律の扱い
メールの営業には、特定電子メール法があります。フォーム営業にこの法律が適用されるかどうかについては、総務省・消費者庁の公式な見解が見当たらず、はっきりとは言えません。そのため、フォーム営業でもメールと同じルールを守ることをおすすめします。送信者の名前と連絡先を書くこと、配信を止める方法を書くこと、断られた会社に二度と送らないことの3つです。条文とガイドラインは「購入した営業リストに営業メールを送るのは違法?」に整理しています。判断に迷うときは、弁護士などの専門家に相談してください。
よくある質問
フォーム営業は違法ですか
フォーム営業が特定電子メール法の対象になるかどうかは、公式な見解が見当たらず、はっきりしていません。法律の義務があるかどうかにかかわらず、メールと同じルールを守って送ることをおすすめします。くわしくは上の「法律の扱い」と、メールの法律の記事をご覧ください。
メールよりフォームのほうがいいのですか
どちらが良いというものではなく、送れる相手が違います。メールアドレスを公開している会社にはメールが、載せていない会社にはフォームが使えます。リストハブのデータでは、メールアドレスがある会社は約2割、フォームがある会社は約6割でした。
何社くらいに送ればいいですか
商材と文面で変わるため、一概には言えません。最初は数十社に送って返信の数を見て、文面を直しながら増やす進め方が失敗しにくくなります。
フォームのURLはどうやって集めればいいですか
1社ずつサイトを開いて探す方法のほかに、フォームのURL付きのリストを買う方法があります。リストハブなら、地域と業種を選んでCSVで受け取れます。件数はお問い合わせフォームがある会社の一覧で確かめられます。
営業文を送ったのに返信が来ません
フォームの営業は、返信が来ない会社のほうが多いものです。返信がない場合は、文面・送った会社の絞り込み・フォームが店に届くものだったか、の順に見直します。文面の見直しは「問い合わせフォームの営業文面と例文」が参考になります。
集計の方法:フォームがある割合は、リストハブに収録している企業・店舗のうち業種が分かる約254万件を2026年10月10日に集計した値です。共有フォームの割合は、フォームのURLがある企業・店舗から約18万件を2026年9月30日に抜き出して数えた値です。数字は、ウェブ上で公開されている情報をもとにしています。日本のすべての会社を調べたものではありません。
この記事は、営業リストの作成サービス「リストハブ」を運営するミルブレインズ合同会社の編集部が書いています。数字は、リストハブに収録している企業・店舗のデータを編集部が数えたものです。数え方と編集方針は「データの集め方・数え方と編集方針」にまとめています。誤りに気づいた方は、サポート窓口からお知らせください。