営業代行・テレアポ代行の会社が、案件ごとに営業リストを用意するときの手順です。業種・地域・連絡手段の決め方、同じ本部や予約センターへ何度もかけてしまう重複架電の防ぎ方、クライアントへの報告に使える件数と電話番号・フォームの保有率、納品されるCSVの列を説明します。大阪府の歯科医院4,139件で実際に数えた作業例と金額の計算つき。
この記事は、営業代行・テレアポ代行を仕事にしている会社が、案件ごとのリストを用意するための手順です。営業代行会社の一覧ではありません。「リストを使う側の仕事」から見た、リストの作り方と使い方を書いています。
代行の仕事は、クライアントごとに、狙う相手が毎回変わります。今月は歯科医院、来月は工務店、といった具合です。そのたびに地域と業種を決め直し、前の案件でかけた相手と重ならないようにし、終わったら件数と結果をクライアントに報告します。この流れの中で、リスト側で決めておくことを順に説明します。
最後に、運営側で実際に1つの条件を数えた作業例と、その金額の計算を載せています。
案件ごとに、先に決める4つのこと
クライアントから依頼を受けたら、リストを用意する前に、次の4つを決めます。
| 決めること | 例 | 決まらないと起きること |
|---|---|---|
| 業種 | 歯科医院、工務店、学習塾 | 商材に合わない相手に、かけ続けることになる |
| 地域 | 大阪府、東京都23区 | 訪問が必要な案件で、移動できない相手が混じる |
| 連絡手段 | 電話、フォーム、メール | 手段に必要な項目が入っていない行が多くなる |
| 必要な件数 | 目標のアポ数から逆算 | 足りなくなって、案件の途中で買い足すことになる |
件数の逆算の考え方は「営業リストの作り方・買い方」にまとめています。電話中心の案件なら、「アポ1件に何件かけるか」を過去の自社実績から出し、そこから必要な件数を決めます。
連絡手段は、業種によって使える割合が大きく違います。たとえば、メールアドレスが載っている会社の割合は、業種で2倍以上の差があります(「業種別に数えた記事」)。案件を受ける前に、狙う業種で電話番号・フォーム・メールがどの程度あるかを見ておくと、できる手段を提案しやすくなります。
リストハブでの抽出の手順
リストハブでは、地域と業種を選ぶと、その場で件数と金額が出ます。案件1つあたり、次の流れです。
- 企業リスト・会社一覧で、都道府県と業種のページを開く(例:「大阪府 歯科」)。ページ上で、電話番号・ホームページ・フォーム・メールの件数と割合が分かります
- 見積りページで、市区町村まで絞る。複数の県や業種をまとめて選ぶこともできます
- 手段に合わせて、メールとフォームのオプションを選ぶ。「付ける」にすると、ある行の分だけ追加料金がかかります。「ある行だけにする」を選ぶと、その項目が入っている行だけのリストになります
- 検索画面の「企業情報で絞り込む」で、ホームページあり、FAXあり、法人番号あり、代表者名ありなどを選ぶと、その項目が入っている行だけに絞れます
- 重複をまとめる項目を選んで、CSVを購入する
絞り込みでできないことも、先に書いておきます。電話番号がある行だけに絞る機能はありません。電話番号がない行は、CSVを受け取ってから、Excelの並べ替えで外します。従業員数は、見積り画面の「従業員数で絞る」で範囲(50〜99名、100名以上など)を選べます。売上高や資本金の金額の範囲では、まだ絞れません。
同じ本部への重複架電を防ぐ
代行会社にとって、重複架電は、クライアントの信用に直接かかわります。同じ会社に1日に3回かかってきた、という苦情は、クライアントの名前で出てしまうからです。
重複は、次の3つの段階で防ぎます。
1. 買うときに、同じ店と同じ番号をまとめる
リストハブの電話番号を2026年9月30日に数えたところ、3行に1行は、ほかの行と同じ番号でした。チェーンの本部や予約センターの番号が、複数の店舗の行に入っているためだと考えています(詳しくは「テレアポリスト(架電リスト)の作り方」)。
見積りの画面で「同一店舗」を選ぶと、店名と電話番号が同じ行がまとめられます(既定で選ばれています)。さらに「電話番号が同じ」を選ぶと、店名が違っても同じ電話番号の行が1行になります。まとめたあとの件数が、そのまま購入する件数と金額になります。30万件を超える条件では、この機能は使えません。
2. 受け取ったあとに、表記をそろえて照合する
番号の書き方(ハイフンの有無、全角と半角)が違うと、同じ番号でも別の番号として見えます。表記をそろえる手順は「電話番号の書き方をそろえる」にあります。
3. 案件をまたいで「かけた番号」を持つ
買うときのまとめは、1回の注文の範囲の中だけです。案件Aでかけた相手に、案件Bで別の担当者がかけてしまうことは、これでは防げません。
そこで、案件に関係なく使う「架電済み番号」のシートを1枚持ちます。列は、番号(表記をそろえたもの)、最後にかけた日、結果、クライアント名の4つで足ります。新しい案件のCSVを受け取ったら、まずこのシートと番号で突き合わせます。断られた会社と、「二度とかけないでほしい」と言われた会社は、結果の列に印を付けて、全案件で外します。
クライアントが違っても、受ける側から見れば、どれも同じ「営業の電話」です。案件の区切りは、シートの外では通用しません。
クライアントへの報告に、件数と保有率を使う
代行の報告では、「何件かけて、何件つながって、何件アポになったか」を伝えることが多いと思います。その前段として、「どのくらいの母数から始めたか」を出すと、数字の見通しがよくなります。
リストハブのページには、地域と業種ごとに、次の数字がデータ集計日つきで出ています。
- 該当する会社・店舗の件数
- 電話番号がある件数と割合
- ホームページ、問い合わせフォーム、メールアドレスがある件数と割合
- 代表者名、設立年、資本金、従業員数、売上高、法人番号、FAX番号が分かる件数
報告書の冒頭に、次のような表を入れると、クライアントは「どの範囲に、どの手段が使えたか」を一目で理解できます。
| 項目 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 対象の会社・店舗 | (件数) | 100% |
| 電話番号あり | (件数) | (%) |
| フォームあり | (件数) | (%) |
| メールあり | (件数) | (%) |
この表を作るために、自社で数える必要はありません。受け取ったCSVを開いて、各列が空でない行を数えるだけでも作れます。
なお、リストの利用範囲は利用規約に定めています(利用規約)。クライアントへの報告には、件数と割合を使い、CSVそのものではなく集計した数字を渡す形にしておくと、迷いません。
納品されるCSVの列
購入すると、次の列のCSVが届きます(列の並びも、このとおりです)。
| 列 | 内容 |
|---|---|
| NO | 連番 |
| 大カテゴリ、中カテゴリ | 業種の分類 |
| ビジネス名 | 会社名・店舗名 |
| 法人番号 | 分かるものだけ |
| 都道府県、市区町村 | 別の列 |
| 住所 | 番地・建物名まで1つの列 |
| URL | ホームページ |
| メールアドレス | オプション(不要なら列ごと入らない) |
| フォーム | 問い合わせフォームのURL。オプション(不要なら列ごと入らない) |
| 電話番号、FAX | 分かるものだけ |
| 参照URL | 参照元のページ |
| 平均評価数、口コミ数 | 分かるものだけ |
| 営業時間(月〜日) | 分かるものだけ |
| 設立、代表者、従業員数、資本金、売上高 | 企業情報のオプション。選んだ項目の列だけ入る |
| 事業概要 | 分かるものだけ |
案件管理の列(かけた日、結果、担当者、次回日、クライアント名)は、受け取ったCSVの右側に自分で足します。足し方は「営業リストのテンプレート」にあります。CSVをExcelで開くとき、番号の先頭の0が消えることがあります。防ぎ方は「CSVをExcelで開くと文字化けするときの直し方」に書いています。
作業例:大阪府の歯科医院で、電話案件を想定して数える
運営側で、実際に1つの条件を数えてみました。「クライアントから、大阪府の歯科医院に電話をかけたいと依頼があった」という想定です。2026年10月17日15時40分ごろに、大阪府の歯科のページの表示を読み取りました(データ集計日は同日)。
| 項目 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 対象の会社・店舗 | 4,139件 | 100% |
| 電話番号あり | 3,968件 | 95.9% |
| ホームページあり | 4,127件 | 99.7% |
| フォームあり | 1,670件 | 40.3% |
| メールあり | 206件 | 5.0% |
| FAXあり | 1,885件 | 45.5% |
| 法人番号あり | 823件 | 19.9% |
読み取れることは、次のとおりです。
- 電話案件は成り立ちます。ただし電話番号がない行が、4,139−3,968=171件あります。CSVを受け取ってから、外します
- フォーム案件にも使えますが、4割です。電話が通らなかった相手の次の手段として、フォームを使う形が現実的です
- メールは5.0%と少ないので、メールを主な手段にする提案は向きません
- 法人番号があるのは2割です。歯科医院は個人の診療所が多いためだと考えられますが、確かめてはいません
金額は、次のとおり計算します(すべて税別)。
- 基本情報のみ:5円×4,139件=20,695円(税込22,764円)
- 基本情報+フォームのURL:20,695円+10円×1,670件(16,700円)=37,395円(税込41,134円)
なお、アポの取れる率や、成約につながる率のような成果の数字は、運営側では測っていないため、ここには載せていません。自社の案件の実績で見てください。
同じ条件を、あとから買い足すとき
同じ案件を数か月後にもう一度行うなら、前回のあとに新しく収録した会社だけを買う方法があります。マイページから、同じ条件の差分を見積もれます。すでにかけた相手を買い直さずに済みます。仕組みは「営業リストが枯渇したら」にあります。
よくある質問
案件が小さくて、数百件しかない場合も買えますか。
買えます。最低ご注文金額は500円(税別)です。小計がこれに満たないときは、500円になります。
電話番号の古さが心配です。
どのリストでも、電話番号は変わります。かける前に、無効な番号の印を付ける列を作り、つながらなかった番号を記録しておくと、次の案件で外せます。データの新しさの考え方は「営業リストの鮮度」にあります。
テレアポのときに守ることはありますか。
特定商取引法などの決まりがあります。「テレアポの法律とマナー」にまとめています。
案件に合う件数を、まず数える
案件を受けたら、最初にやることは、狙う地域と業種の件数と、電話番号・フォームの割合を見ることです。企業リスト・会社一覧で件数を確かめ、見積り画面で金額を出せます。購入の前に、伏字なしのサンプル10件で、電話番号の入り方を見ることもできます。
テレアポのかけ方は「テレアポのコツ」、フォームを使う営業は「フォーム営業とは」で説明しています。
数字の出どころ:作業例の件数と割合は、リストハブの大阪府の歯科のページ(データ集計日2026年10月17日)を、同日15時40分ごろに読み取ったものです。料金はリストハブの今の設定で計算しています。電話番号の重複の割合は、2026年9月30日に集計した値です(「テレアポリスト(架電リスト)の作り方」参照)。法人番号が少ない理由は推測です。
この記事は、営業リストの作成サービス「リストハブ」を運営するミルブレインズ合同会社の編集部が書いています。数字は、リストハブに収録している企業・店舗のデータを編集部が数えたものです。数え方と編集方針は「データの集め方・数え方と編集方針」にまとめています。誤りに気づいた方は、サポート窓口からお知らせください。