DM制作・発送会社が、クライアントの案件ごとに宛名リストを用意するときの手順です。対象企業の抽出、納品CSVの住所の列(都道府県・市区町村は別の列、番地と建物名は1列)と整え方、法人と店舗の単位の決め方、件数から郵送費まで含めた見積りの考え方を説明します。福岡県の学習塾457件で実際に数えた作業例と、リスト代の計算つき。
この記事は、DMの制作・発送を仕事にしている会社が、クライアントの案件ごとに宛名リストを用意するときの手順です。DM発送会社の一覧ではありません。「宛名リストを作って使う側の仕事」から見た、抽出、住所データの整え方、見積りの考え方を書いています。
DMの仕事は、リストが決まって初めて、印刷の部数、封入の手間、郵送の料金が決まります。リストの件数がずれると、見積りもずれます。この記事では、リストの件数と中身を、見積りの前に固めるところまでを説明します。
後半に、運営側で実際に1つの条件を数えた作業例と、リスト代の計算を載せています。
案件の最初に、抽出の条件を決める
クライアントから「この業種に、DMを送りたい」と頼まれたら、次の4つを聞き取ります。
| 聞くこと | 決まらないと起きること |
|---|---|
| どの業種か | 商材に合わない相手に刷ることになる |
| どの地域か | 配送エリア外の相手が混じる。地域ごとの発送日を分けられない |
| 法人か店舗か | 同じ会社に何通も届く。または本社にしか届かない |
| 何通送るか(予算) | 刷ったあとで、余る、足りなくなる |
郵送のDMは、メールアドレスやフォームを出していない会社に届く手段です。メールが少ない業種ほど、DMの価値が出ます。業種ごとのメール・フォームの割合は「業種別に数えた記事」にあります。クライアントの業種で、メールが少なく、住所だけが頼りなら、DMを提案する理由になります。
リストハブでの抽出の手順
リストハブでは、地域と業種を選ぶと、その場で件数と金額が出ます。
- 企業リスト・会社一覧で、都道府県と業種のページを開く。市区町村ごとの件数も見られます
- 見積りページで、市区町村まで絞る。複数の県や業種をまとめて選ぶこともできます
- 検索画面の「企業情報で絞り込む」で、代表者名あり、法人番号あり、ホームページありなどを選ぶと、その項目が入っている行だけに絞れます。代表者名のある会社だけに「代表取締役 〇〇 様」で送る、といった使い方ができます
- 重複をまとめる項目を選んで、CSVを購入する。「同一店舗」(店名と電話番号が同じ行)は既定で選ばれています
絞り込みでできないことも、先に書いておきます。資本金や売上高の金額の範囲で絞る機能は、まだありません。企業情報のオプションで列として入れ、入っている行を見て選ぶ形になります。従業員数は、見積り画面の「従業員数で絞る」で範囲(50〜99名、100名以上など)を選べます。
納品CSVの住所は、こう入っている
宛名の印刷に使う列は、次のとおりです。
| 列 | 内容 |
|---|---|
| ビジネス名 | 会社名・店舗名 |
| 都道府県、市区町村 | 別々の列に入っている |
| 住所 | 番地・建物名まで1つの列にまとまっている |
| 法人番号 | 分かるものだけ |
| 代表者 | 企業情報のオプション。選んだときだけ列が入る |
つまり、都道府県と市区町村は、すでに別の列です。番地と建物名は、1つの住所の列の中にあります。郵便番号の専用の列は、ありません。住所の先頭に郵便番号(〒)が入っている行があります。入り方は購入前に見積りページのプレビューで確かめられます。
宛名の印刷で建物名を2行目に回したいときは、住所の列を、番地までと建物名以降に分ける作業が要ります。分け方の例は、次のとおりです。
- 住所の列をコピーして、作業用の列を作る
- 先頭に〒と郵便番号が入っている行は、その部分を別の列に切り出す
- 「〇〇ビル」「〇階」「〇号室」のように建物名が始まる位置を目で見て確かめ、区切る
数が多いときは、先頭の〇件を目で確かめてから、まとめて処理する形にします。宛名の誤りは「届かない」や「失礼な宛名で届く」につながるので、住所の分け方や、御中と様の使い分け、郵便番号の確認は、「DMリストの作り方と購入」に手順を書いています。CSVをExcelで開くとき、先頭の0が消えることがあります。防ぎ方は「CSVをExcelで開くと文字化けするときの直し方」にあります。
法人と店舗は、1行の単位が違う
リストの1行は、会社でなく、場所の単位で並んでいることがあります。たとえば学習塾なら、同じ会社の教室が、教室ごとに1行になっていることがあります。
DMでは、これを次のように扱います。
- 会社に1通でよい案件:同じ法人の行から本社だけを残す。法人番号が入っている行は、法人番号が同じ行を探して、まとめる目印にできます。ただし、法人番号が入っているのは一部の行です
- 店舗ごとに届けたい案件:店舗の行を全部残す。同じ会社の店に同時に届いても、案件の目的に合えば問題ありません
- 同じビルに入っている別会社:住所が同じでも、会社名が違えば別の宛先です。住所だけで重複と判断しないでください
どちらにするかは、DMの目的とクライアントの意向で、刷る前に決めます。決まらないまま刷ると、届いたあとに「同じ会社に3通来た」という連絡を受けます。
件数から、郵送費まで含めて見積もる
DMの見積りは、リスト代だけでは決まりません。次の式で考えます。
総額 = リスト代 +(件数 ×(印刷 + 封入 + 郵送の1通あたりの費用))
リスト代は、リストハブでは、基本情報1件5円(税別)からで、最低ご注文金額は500円(税別)です。一方で、1通あたりの費用は、印刷物の仕様や郵送の方法で大きく変わり、件数に比例して増えます。
そのため、見積りの精度を上げるには、リスト代を細かく見るより、件数の正確さを先に固めるほうが効きます。重複をまとめて、宛先として使えない行を外し、そのあとの件数で郵送費を出します。
作業例:福岡県の学習塾で、リスト代と発送費を比べる
運営側で、実際に1つの条件を数えてみました。「クライアントから、福岡県の学習塾にDMを送りたいと依頼があった」という想定です。2026年10月17日15時41分ごろに、福岡県の塾・予備校のページの表示を読み取りました(データ集計日は同日)。
| 項目 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 対象の会社・店舗 | 457件 | 100% |
| 電話番号あり | 452件 | 98.9% |
| ホームページあり | 457件 | 100.0% |
| フォームあり | 387件 | 84.7% |
| メールあり | 105件 | 23.0% |
| 代表者名が分かる | 8件 | 1.8% |
| 法人番号が分かる | 19件 | 4.2% |
読み取れることは、次のとおりです。
- 学習塾はフォームのある割合が84.7%と高く、DMでなくフォームで届けられる案件でもあります。DMを選ぶ理由は、紙で手元に残したい、クライアントの方針で郵送にしたい、といった事情になります
- 代表者名が分かるのは8件だけなので、ほとんどの宛名は「御中」になります
- 法人番号が入っているのは19件だけです。教室ごとの行を会社にまとめたいときは、法人番号は使えず、会社名での照合になります
リスト代は、次のとおり計算します(税別)。
- 基本情報のみ:5円×457件=2,285円(税込2,513円)
- 代表者名のオプションを付ける場合:代表者名が分かる8件の分だけ加算されます(8件×5円=40円)。合計は2,325円(税込2,557円)です
ここから、発送費と比べます。1通あたりの印刷・封入・郵送の合計を、仮に100円とします(説明のための仮の数字で、実際の費用ではありません)。
- 発送費:457件×100円=45,700円
- リスト代(基本情報のみ):2,285円
つまり、総額の大半は発送費です。宛先を絞って1通減らすことの価値は、リスト代の何倍にもなります。クライアントに提案するときは、「絞るほど発送費が下がる」ことを、リスト代より先に伝えると、話が通りやすくなります。
よくある質問
数百件の小さな案件でも買えますか。
買えます。最低ご注文金額は500円(税別)です。小計がこれに満たないときは、500円になります。
宛先不明で戻ってきたときの管理はどうしますか。
戻った理由ごとに記録し、「郵送不可」の印を付けて、次の案件から外します。手順は「DMリストの作り方と購入」にあります。
同じ会社の住所が、リストの中で2回出てきます。
店名と電話番号が同じ行は、見積りの「同一店舗」をまとめると1行になります。店名が違う、電話番号が違うなどでまとまらなかった行は、会社名と住所を照合して、案件の目的に合わせて残すか決めます。
FAXでの案内もできますか。
FAXの営業は、メールや電話とは別の決まりがあります。「FAXでの営業とDMの法律」にまとめています。
宛名リストの件数を、まず数える
案件を受けたら、最初に、狙う地域と業種の件数を数えます。企業リスト・会社一覧で件数を確かめ、見積り画面で金額を出せます。購入の前に、伏字なしのサンプル10件で、住所の入り方を見ることもできます。
営業リスト全体の考え方は「営業リストの作り方」、購入費用は「営業リストの購入費用と相場」にあります。
数字の出どころ:作業例の件数と割合は、リストハブの福岡県の塾・予備校のページ(データ集計日2026年10月17日)を、同日15時41分ごろに読み取ったものです。料金はリストハブの今の設定で計算しています。発送費の1通100円は説明のための仮の数字で、実際の費用ではありません。
この記事は、営業リストの作成サービス「リストハブ」を運営するミルブレインズ合同会社の編集部が書いています。数字は、リストハブに収録している企業・店舗のデータを編集部が数えたものです。数え方と編集方針は「データの集め方・数え方と編集方針」にまとめています。誤りに気づいた方は、サポート窓口からお知らせください。