法人向けのテレアポのコツを、かける前の準備、受付を通る話し方、担当者と話す最初の15秒、断り文句への返し方の型、かける時間帯の考え方、記録の取り方の順に整理しました。結果の半分はリストと準備で決まります。やってはいけないことと、よくある質問もあわせて説明します。
テレアポ(電話でアポイントを取る営業)が思うように進まないとき、話し方の工夫から始める人は多いと思います。ただ、同じ話し方でも、リストの中身と準備しだいで、つながり方も断られ方も変わります。
この記事では、法人にかけるテレアポのコツを、かける前、受付、担当者との会話、かける時間帯、記録の順に説明します。話し方の型は、あくまで考え方の例です。業種や商品で合う形は変わるので、自社で数日試して、結果を見ながら直してください。
結果の半分は、かける前に決まる
テレアポは、トークの上手さだけで決まるものではありません。かける前の次の3つで、成果の土台ができます。
- 相手を絞る:商品が合う業種と地域に絞ってから、かける
- 番号を整える:同じ番号の重複をまとめ、表記をそろえる
- 話すことを決める:何を、誰に、どんな順で伝えるかを、短い台本にする
1つめの「絞る」について。合わない相手に、うまい話し方でかけても、アポにはつながりにくくなります。業種と地域を決めて、その中だけをかけるほうが、話す内容をそろえやすく、改善点も見つけやすくなります。
2つめの「番号を整える」は、見落とされがちです。リストの電話番号には、チェーンの本部や予約センターの番号が複数の行に入っていることがあります。そのまま上からかけると、同じ受付に何度も同じ話をすることになります。番号の書き方をそろえて重複をまとめる手順、携帯やフリーダイヤルの見分け方は、「テレアポリスト(架電リスト)の作り方」に書いています。電話番号の表記ゆれの直し方は「電話番号の書き方をそろえる」にあります。
3つめの「台本」は、全文を読み上げるものではなく、言う順番のメモです。次の節以降の内容を、自社の商品に置き換えて作ります。
受付を通るコツ
法人にかけると、最初に出るのは、担当者ではなく受付や事務の方であることが多くなります。ここで大事なのは、「通してもらう」ことが目的だと割り切ることです。受付の方に商品の説明をする必要はありません。
最初に名乗り、用件は短く、具体的に
お忙しいところ失礼いたします。〇〇(社名)の山田と申します。〇〇のご案内で、△△のご担当の方にお取り次ぎをお願いできますか。
ポイントは3つです。
- 社名と名前を最初に言う:誰からの電話か分からないと、受付の方は判断できません
- 「ご担当の方」だけで終わらせない:「経理のご担当」「店舗運営のご担当」のように部署や役割を言うと、取り次ぐ先が決まりやすくなります
- 取り次ぎ先は、役職や名前が分かるなら使う:サイトや名簿で分かる場合に限ります
聞かれたことには、正直に短く答える
受付の方に「何のご用件ですか」と聞かれたら、営業の電話であることを隠さず、一言で答えます。
〇〇のご案内です。△△に関わるご担当の方に、1分ほどお話しできればと思っております。
用件をぼかして取り次いでもらうと、担当者の方に電話がつながったあとで、「聞いていた話と違う」と受け取られかねません。後の信頼のためにも、はじめから営業と伝えておくほうが安全です。
担当者不在と言われたとき
「今は席を外しております」と言われたら、そこで引き下がらずに、次のことを聞きます。
- 戻りの目安の時間帯(「何時ごろなら」と、教えてもらえる範囲で)
- 担当者のお名前(教えてもらえるなら)
教えてもらえなければ、無理に聞き出さず、「また改めてお電話いたします」と伝えて切ります。かけ直す日時は、すぐに記録に残します(記録は後の節で説明します)。
担当者と話すときのコツ
担当者につながったら、最初の15秒が大事です。相手は仕事の手を止めて出ているので、「この電話は聞く価値があるか」を、短い時間で判断します。
最初の15秒で伝える4つのこと
- 名乗り:社名と名前
- 営業の電話であること:隠さない
- 相手に関係のある理由:なぜその会社にかけたのか
- 時間の許可:「1分ほどよろしいですか」
〇〇の山田と申します。営業のお電話で恐れ入ります。札幌市内の飲食店さまに、△△のご案内をしております。1分ほどお時間をいただけますか。
3つめの「理由」は、リストの条件がそのまま使えます。「札幌市の飲食店」「従業員が10名前後の会社」のように、相手の地域や業種、規模に触れると、一斉にかけている電話でも、自分に関係のある話だと伝わりやすくなります。
一度に全部話さない
最初から商品の全部を説明しないほうが、話が進みやすくなります。目的は、その場で契約を取ることではなく、次の約束(資料の送付、改めての訪問や面談)を取ることだからです。
話す順番の例です。
- 相手の状況を、質問で1つ確かめる(例:「いま〇〇は、どのように対応されていますか」)
- 自社の商品が役に立ちそうな点を、1つだけ伝える
- 次の約束を提案する(例:「詳しい資料をお送りしてもよろしいですか」「15分ほどお伺いしてもよろしいですか」)
断り文句への返し方の型
断られたときの返し方は、型を持っておくと慌てません。ただし、「断られた相手に食い下がる」ためのものではなく、相手の事情を一度だけ確かめ、合わなければ引き下がるための型です。
| 断り文句 | 返し方の例 |
|---|---|
| 「今は忙しい」 | 「失礼しました。何時ごろならお話しできますか」と、かけ直す時間を聞く |
| 「間に合っています」 | 「いまお使いのものがあるのですね。差し支えなければ、どんなものか教えていただけますか」と一度だけ聞き、話が続かなければ引く |
| 「資料を送って」 | 「ありがとうございます。送り先のメールアドレスを教えていただけますか。数日後に届いたかのご確認でお電話してもよろしいですか」と、次の約束につなげる |
| 「担当ではない」 | 「失礼しました。どの部署の方がご担当か、教えていただけますか」と聞く |
| 「興味がない」「必要ない」 | 「承知しました。失礼いたします」と、すぐに引く |
最後の行が大事です。「結構です」「必要ありません」とはっきり言われたら、そこで会話を終えます。法律の面でも、断った相手へ続けて勧誘することは、場合によっては禁じられています(後の節で触れます)。
かける時間帯と曜日の考え方
「何時台がつながりやすい」という話はよく聞きますが、業種や会社で事情が変わるため、この記事では特定の時間帯を断定しません。考え方だけを書きます。
- 業種ごとの忙しい時間を避ける、という考え方があります。たとえば飲食店なら、食事の時間帯や仕込みの時間は手が離せないので、その前後を選ぶ、といった具合です
- 始業直後、昼休み、終業間際は、会議や外出、休憩と重なりやすいと考えられるため、避けるという考え方があります
- 自社の記録で比べるのが確実です。「つながった」「担当者と話せた」の割合を、時間帯と曜日ごとに数えておくと、自社の相手に合う時間が見えてきます
1回で担当者につながらなくても、不在の理由はさまざまです。時間帯と曜日を変えて、数回までに限ってかけ直す、と回数の上限を先に決めておくと、同じ会社に何度もかけ続けることを防げます。
記録と、次の一手
テレアポは、かけた結果を記録して、次の動きを決めるところまでが1つの作業です。
記録しておく項目の例です。
- かけた日時と、かけた人
- 結果(不在、担当者不在、受付で断り、担当者と話した、アポ獲得、番号が使われていない、今後不要と言われた、など)
- 次にかける日
- メモ(担当者の名前、話したこと、指定された時間帯)
結果は、自由に書かせるとあとで数えられなくなるので、区分を先に決めてリストから選ぶ形にします。列の作り方の例は、「営業リストのテンプレート」に載せています。記録がたまると、次のことが見えてきます。
- どの業種・地域で、担当者につながりやすいか
- どの断り文句が多いか(多いなら、最初の15秒の伝え方を直す)
- 何回目のかけ直しまでで、アポにつながっているか
1日の終わりに、結果を数えるだけでも十分です。数が分かれば、「話し方を変えるのか、かける相手を変えるのか」を、感覚ではなく数字で決められます。
やってはいけないこと
- 営業と明かさずにかける:後で信頼を失います
- 「結構です」と言われた後も勧誘を続ける:特定商取引法では、契約しない意思を示した相手への再勧誘は禁じられています(適用される取引の場合)。相手が法人でも、個人事業主や小さな店では適用される場合があります。詳しくは「電話営業と特定商取引法」にまとめています
- 断られた会社に、別の担当者が同じ話をかけ直す:「かけないリスト」をチームで1つ持って、新しいリストを使う前に突き合わせます
- 同じ会社に短い間隔で何度もかける:回数の上限を決めておきます
- 相手の言葉をさえぎって話し続ける:聞く時間を、話す時間と同じくらい取ります
よくある質問
最初の何秒で、電話を切られますか。
何秒という統計は、この記事では出していません。ただ、最初の名乗りと理由が伝わらないと切られやすくなると考えられるので、「社名・名前・営業であること・かけた理由」を、短く言う練習が役に立ちます。
台本は、読み上げたほうがいいですか。
全文を読み上げると、声が棒読みになりやすくなります。言う順番と、伝えたい要点だけを手元のメモにして、あとは自分の言葉で話す形がおすすめです。
受付で何度も断られてしまいます。
受付の方は、その会社を守る立場です。断られた回数が多いなら、「用件が伝わっていない」「かける時間が合っていない」「そもそも相手が合っていない」のどれかを、記録から探します。数日分の記録を見て、受付で断られた会社の業種や規模に偏りがないかを確かめてみてください。
1日に何件くらいかければいいですか。
件数は、通話の長さや相手によって大きく変わります。最初の数日で、自社で1時間に何件かけられたかを測り、それをもとに1日の目標を決めるのが現実的です。
携帯電話の番号にかけてもいいですか。
携帯電話の番号は、担当者本人の電話であることがあります。固定電話とは分けて並べ、つながり方や反応を自社の記録で比べながら、使い方を決めてください。番号の種類の見分け方は、「テレアポリスト(架電リスト)の作り方」にあります。
絞ったリストを用意するところから
テレアポのコツをいくつか書きましたが、最初の一歩は、かける相手を絞ったリストを作ることです。業種と地域を決めて、電話番号付きのリストを用意しておくと、話す内容をそろえやすく、結果の比較もしやすくなります。
リストハブでは、地域と業種を選んで、電話番号付きの会社・店舗のリストを作れます。企業リスト・会社一覧で地域と業種ごとの件数を確かめ、見積り画面で金額を確認できます。購入の前に、伏字なしのサンプル10件で、電話番号の入り具合を見ることもできます。
リスト全体の作り方は「営業リストの作り方」にまとめています。
この記事は、営業リストの作成サービス「リストハブ」を運営するミルブレインズ合同会社の編集部が書いています。数字は、リストハブに収録している企業・店舗のデータを編集部が数えたものです。数え方と編集方針は「データの集め方・数え方と編集方針」にまとめています。誤りに気づいた方は、サポート窓口からお知らせください。