市場調査のやり方|地域・業種ごとの会社数で、営業先と市場の大きさを数える方法

虫めがねで地図上の店舗や会社の数を調べる担当者と棒グラフ。市場調査のやり方
リストの作り方・使い方 公開 文:リストハブ編集部

営業・出店・新規事業の前にやる市場調査の進め方。まず「その地域に対象の会社や店が何社あるか」を数え、公的統計とリストハブの件数ページを使い分けます。東京都・大阪府・北海道の美容院・理容室を例に、連絡先の保有率まで見る手順を実数で説明します。

新しい地域に営業をかけるとき、店を出すとき、新しい事業を考えるとき。最初に知りたいのは「相手になる会社や店は、そこに何社あるのか」ではないでしょうか。この記事は、学生のレポートではなく、営業・出店・新規事業を考える会社の人向けに、市場調査の最初の一歩である「数える」やり方を説明します。

市場調査とは

市場調査は、売りたい相手や、売れる見込みを調べることです。やり方は大きく2つに分かれます。

種類 中身 例
一次調査 自分で新しく集める アンケート、インタビュー、現地の見学、試しに営業をかけてみる
二次調査 すでにある資料を読む 国の統計、業界団体の資料、会社データの集計

費用と時間がかかるのは一次調査です。そのため、先に二次調査で「対象がどのくらいいるか」を数え、見込みがありそうなら一次調査に進む順番が無駄になりません。

最初にやるのは「数える」こと

会社向けの商売では、最初に次の3つを数えます。

  1. 対象の会社・店が、その地域に何社あるか
  2. そのうち、連絡できる手段(電話・メール・お問い合わせフォーム)が分かる会社が何社あるか
  3. 大きな会社と小さな店のどちらが多いか(従業員数や資本金が分かる範囲で)

たとえば「北海道の美容院に営業したい」なら、北海道に美容院が何軒あって、電話やフォームでつながる店が何軒あるかが分かれば、営業にかかる時間と人手の見積もりが立ちます。

公的統計とリストハブの件数ページの使い分け

数える道具は大きく2つあります。

公的統計:総務省統計局と経済産業省が行う経済センサスは、全産業の事業所と企業を対象にした調査で、直近は令和3年(2021年)6月1日に実施されています。次は令和8年の実施が予定されています。結果は、政府統計の総合窓口e-Statで見られます。網羅的で信頼できる一方、調査の間隔が数年あくので、数字はその調査日時点のものです。また、会社名や連絡先が出るわけではありません。

リストハブの件数ページ:リストハブは、ウェブ上で公開されている企業・店舗の情報をもとにしたデータを301万件収録しています。地域×業種の件数と、電話・フォーム・メールの保有率を、毎日集計し直して出しています。ただし、ウェブに情報を出していない会社は入っていないため、全数ではありません(数え方は「リストハブのコラムについて」にまとめています)。

公的統計(経済センサス) リストハブの件数ページ
網羅性 全産業が対象 ウェブ上で公開されている情報の範囲
更新 調査の間隔があく 毎日集計し直し
連絡先の有無 出ない 電話・フォーム・メールの保有率が分かる
向いている使い方 市場全体の規模の把握 営業先として動けるのが何社か、の見積もり

どちらか一方ではなく、両方を並べると読みやすくなります。公的統計で「全体の規模」をつかみ、リストハブで「いま連絡が取れそうな会社の数」を見る、という使い分けです。

手順の例:美容院・理容室に営業する場合

地域ごとの業種ページは、/list/{都道府県}/{業種} の形です。ここでは美容院・理容室(hair-salons)を例にします。2026年10月16日に、本番のページで確かめた数字です。

地域 該当件数 電話番号あり ホームページあり フォームあり メールあり
全国 73,234件 96.4% 81.6% 42.1% 6.7%
東京都 12,569件 97.2% 94.3% 52.4% 8.6%
大阪府 8,999件 90.6% 73.1% 37.7% 5.6%
北海道 2,401件 97.1% 73.0% 36.6% 6.2%

(リストハブ調べ、2026年10月16日21時ごろ取得。件数は毎日変わります)

この表から、たとえば次のことが分かります。

  • 東京都は1.2万件を超え、東京都の中では渋谷区1,201件、新宿区805件、世田谷区782件の順に多い
  • メールアドレスが分かる店は、どの地域も1割未満。メール営業の対象は小さく、電話かフォームが中心になる
  • フォームがある店の割合は、東京都(52.4%)が北海道(36.6%)より高い

東京都でフォームを使うなら、フォームがある店は6,591件、メールなら1,081件が、連絡先として使える上限の目安です。1日に何件送れるかを考えると、何日分の仕事になるかも見えてきます。

数字の読み方と注意点

会社数は、市場の大きさそのものではありません。 市場の大きさ(売上や取引額)は、会社数に1社あたりの購入額をかけて初めて見えてきます。リストハブの件数ページは会社数の目安にはなりますが、金額までは出ません。金額の調査は、公的統計の売上の項目や、業界団体の資料、一次調査(実際に聞いてみる)と組み合わせてください。

件数は、ウェブに情報を出している会社の数です。 看板だけで営業している店や、ホームページを持たない個人の店は、数に入っていない場合があります。多い・少ないは「全体の傾向」として読み、1件単位の正確さを求めないほうが安全です。

保有率は、連絡が取れる確実さではありません。 電話番号があっても、つながるかどうかは別です。フォームのURLが、チェーンの本部につながることもあります(「本部・予約サイトのフォームの見分け方」)。

地域は広げすぎず、市区町村まで下げて見る。 都道府県の件数だけでは、営業の移動や担当の割り振りが決まりません。東京都なら区、ほかの県なら市の単位まで下げると、1日の訪問や電話の量に直せます。

業種は、近い業種も並べて見る。 たとえば美容院だけでなく、近い業種のページも見ると、同じ営業先の候補が広がります。

調べたあと:営業リストにする

数えて見込みがありそうなら、次は実際に連絡する相手の一覧にします。リストハブでは、地域と業種を選ぶと、その条件で何件あるかがその場で出ます。納品されるCSVのプレビューは無料で見られ、無料で試すのページから、伏字なしのサンプル10件も受け取れます。件数と金額を確かめたいときは、見積りページから地域と業種を選んでください。

リストの作り方全体は「営業リストの作り方」、買う前に決めておくことは「営業リストを買う前に決めること」で説明しています。

よくある質問

Q. 市場調査は、一次調査と二次調査のどちらから始めますか。 二次調査(すでにある資料を数える)からです。対象が少なすぎる、または多すぎると分かれば、一次調査にお金をかける前に方針を変えられます。

Q. 会社数だけで、新規事業の見込みは判断できますか。 できません。会社数は「相手がどのくらいいるか」の目安です。1社あたりの購入額、競合の数、断られる割合は別に調べる必要があります。まず少数に営業して反応を見る一次調査と組み合わせてください。

Q. 公的統計の数字とリストハブの件数が合いません。 集め方が違うためです。公的統計は調査票を使った全産業の調査で、調査日時点の数字です。リストハブは、ウェブ上で公開されている情報をもとにした件数で、全数ではありません。どちらが正しいというより、見ているものが違います。

Q. 件数は変わりますか。 毎日集計し直しているため、日によって変わります。この記事の数字は、2026年10月16日に取得したものです。

Q. 調べるだけでも使えますか。 件数と保有率の確認は、購入しなくても見られます。

集計の方法:美容院・理容室の件数と保有率は、リストハブの地域×業種のページ(/list/japan/hair-salons、/list/tokyo/hair-salons、/list/osaka/hair-salons、/list/hokkaido/hair-salons)に表示された数字を、2026年10月16日21時ごろに取得したものです。ウェブ上で公開されている情報をもとにしており、日本のすべての会社・店を調べたものではありません。経済センサスの実施時期は、総務省統計局のページで確かめました。


この記事は、営業リストの作成サービス「リストハブ」を運営するミルブレインズ合同会社の編集部が書いています。数字は、リストハブに収録している企業・店舗のデータを編集部が数えたものです。数え方と編集方針は「データの集め方・数え方と編集方針」にまとめています。誤りに気づいた方は、サポート窓口からお知らせください。

地域と業種を選ぶだけで、営業リストの件数がすぐ分かります

リストハブでは、全国約301万件の企業・店舗から、電話・メール・お問い合わせフォームのある会社を絞り込んでリストにできます。納品される CSV の中身は、買う前に見本で確かめられます。

営業リストを作る

ほかのコラム

コラムの一覧へ